24Feb
GAMスクエア キクタニです。
本日はちょっぴりお時間をいただきまして、わたしとCADとの出会いをお話させていただきます。
わたしが設計事務所に就職したのは、1990年代半ば。
やっとこさ、ご家庭にWindowsが普及しはじめた頃のお話です。
当時、図面といえばドラフターに向かって作業をする手描き作図が全盛の時代。 PCもCADも とても珍しく、そして本当に高価なアイテム。
もちろん社内にはPCの電源を入れたことのある人間すらほとんどいません、いや、正直なところ1人もいませんでした(笑)・・・
当然のなりゆきといいますか、必然のなせる業といいますか、CADという未知なる図面描きソフトの使い方を習得するのは、当時まだ若く、何夜でも徹夜を楽々とこなし、オフィスの床で寝ることも苦ではない(改めて言葉にしてみると、、、なんてひどい職場環境だ!)わたしの役目となったのです。
ちなみに、わたしがはじめて触ったCADはAutocadを建築用にカスタマイズした 「ガウディ」というソフトです。当時はなんと巨大なタブレットがついていてタッチペンで入力する方式でした!覚えている方いらっしゃるかな。。。(しばし遠い目・・・)
CADは操作できるようになったけれど・・・
若さからくる柔軟さも手伝って、2か月もするとAutocadによる簡単なディティールであればトレースすることができるようになりました。
でもそれは、自分で考えて図面を描く、のではなく、何か参考になる資料を見ながら図面をトレースできるようになったと、いうレベルです。
当時 建築に関する知識・理解度がとても未熟だった私には、自分で設計図を作図するなんて「お前、いまから宇宙にいってこい!」と言われているのと同じようなもの。。
「CADを操作できるようになったからと言って、自分で作図ができるようになったわけじゃない。」
これが建築業界に就職して、わたしが最初に直面した巨大な巨大な壁でした。
でもその当時は、手描きで描かれたスケッチと同じものをCADで作図することができる・・・それだけでCADオペレーターという仕事を掌握した気にすらなっていたのです。
もちろん、これから目の前に立ちはだかるであろう壁の存在など まったく気づいてもいませんでした。
そして、壁に登れないときがやってきます。
CADをなんとか操作できるようになって、わずか3か月目。
いきなり建築現場の施工図チームにCADオペレーターとして配属されることになりました。
建築現場の展開の速さにとまどい・他のCADオペレーターさんの作図スピードについていけず・現場の方の指示内容がまったく理解できないという、新人女子に与えられた過酷な状況・・・
「修正・チェック指示が入っている図面の内容を理解し、その通りに仕上げていく」
本来のCADオペレーターに必要とされるスキルさえ持ち合わせていなかった私は、完全に現場の中で孤立することになったのです。意味のわからないチェック内容に図面を直すこともできない・・・マウスのまったく動かない日が数日続きました。
そんな時、茫然自失な私を見かねて現場で手を差し伸べてくれる方があらわれました。図面を修正するにあたり一体何がわからないのか・・・いま困っていることはなんなのか・・・珍解答を連発し、突拍子もない図面を描き続ける私に、ニコニコしながら赤ペンで図面を添削してくれたその先生の御指導のもと、 何とかはじめての数か月の現場常駐を乗り切ることができた私は 初めて大切なことに気づきます。
『図面を作図できるようになるには、建築に関する知識もあわせて勉強することが必要なんだ。』
そして、それからの私はCADスキルを上げるのと同時に 実務に活かせる建築を勉強するようになりました。
あれから20年以上の月日が流れ、今でも建築に携わり続け、そして私は建築士になりました。
もし建築業界で働くのなら、実務に活かせるCADを学ぼう
作図や修正指示のもと作業を行う建築系CADオペレーターは、CAD操作できることが第一条件です。それ以外の、たとえば建築に関する知識を深めるということはオプションなのかもしれません。
でも・・・あなたがもし建築業界でCADオペレーターとして働くのならば、建築をきちんと理解して作図・修正することができれば、作業時間と仕事に関するストレスを格段に減らすことができます。
そしてなにより、CADで仕事をすることが楽しくなります。
GAMスクエアでは、
・建築実務に活かせるCAD操作を学んでいこう!
・CADを使って以前お仕事をされていた方は、学んだスキルを思い出そう!
・イラストを作図しながら面白くCAD操作を学んでいこう!
などなど、初心者の方からプロの方までCADを身近に簡単にをコンセプトに、これからも色々な情報を配信していきます。